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エアブラシを2本使い分ける理由|ダブルアクションとFLYER-SRの役割分担

ダブルアクションのハンドピースとFLYER-SRを並べ、「エアブラシを2本使い分ける理由」 模型用ツール
ダブルアクションのハンドピースとFLYER-SRを使い分ける理由を紹介
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この記事の要点

・ダブルアクションとFLYER-SR、どちらが上か、ではなく役割分担で考えた方が使いやすい
・細かい調整をしたい工程はダブルアクション、サフやクリアなど手早く進めたい工程はFLYER-SR
・FLYER-SRを用途ごとに専用化すると、洗浄の負担をかなり軽くしやすい
・2本体制にすると、塗装全体の段取りが軽くなり、作業に入りやすくなる

エアブラシを使い続けていると、だんだん面倒になってくるのが洗浄と段取りです。

特に、サーフェイサーやクリアコートのように、作業そのものはそこまで難しくないのに、吹いた後の洗浄はしっかり必要になる工程は、気持ちの上でも少し重くなりがちです。
「今日はサフまでやりたいけれど、洗うのが面倒だからまた今度にしよう」となってしまうこともあります。

私はこの負担を減らすために、ダブルアクションのハンドピースとFLYER-SRを使い分けています。
この記事では、私がエアブラシを2本体制にしている理由と、それぞれにどんな役割を持たせているのかをまとめます。


私がエアブラシを2本使い分けている理由

使っている2本

私が使っているのは、ダブルアクションのハンドピース(GSIクレオス PS289)と、FLYER-SRです。

ダブルアクションのハンドピースは、吹き始めと吹き終わり、塗料の出方、エア量とのバランスを自分で調整しやすいのが強みです。
そのぶん、思った通りに吹けるようになると自由度が高く、細かい加減が必要な工程では頼りになります。

一方、FLYER-SRは、手早く吹きたい工程を気軽に進めるための位置づけで使っています。

なお、私が持っているのは旧モデルですが、現在は FLYER-SR2 にモデルチェンジしています。
新旧どちらのモデルでも、使い分けの方針は同じです。

追記:細吹き用に0.2mmのPS270も導入しました

その後、プリシェーディングのように細い影を入れる作業用として、0.2mmのGSIクレオス PS270も追加しました。

PS289でも細かい塗装はできますが、パーツのフチや奥まった部分に細く影を入れたい場面では、PS270の方が狙ったところに吹きやすいと感じています。

一方で、広い面を一気に塗るならPS289の方が扱いやすく、サフやクリアのように手早く進めたい工程は今まで通りFLYER-SRが便利です。

現在の使い分けは、ざっくり以下のようなイメージです。

・PS270:プリシェーディングや細部塗装
・PS289:通常の本塗装、ある程度広い面の塗装
・FLYER-SR:サーフェイサー、クリア、黒系などの作業用

0.2mmを追加したことで、PS289が不要になったというより、細吹き用の選択肢が増えた感覚です。

1本で済ませず、2本体制にしている理由

エアブラシ塗装では、工程ごとに求めるものが少しずつ違います。

たとえば、境界を意識しながら吹きたい場面や、吹き加減を細かく調整したい場面では、ダブルアクションの良さがそのまま出ます。
一方で、サフやクリアのように、ある程度まとまった面積を均一に吹きたい工程では、そこまで細かい操作性よりも、気軽に準備できて気軽に使えることの方が効いてきます。

この2種類の作業を、1本のハンドピースでやることももちろん可能です。
ただ、実際には「細かい作業向けのハンドピースをサフやクリアで何度も汚す」「そのたびにしっかり洗浄する」「次の工程に入るまでの手間が増える」という流れになりやすいです。

そこで私は、役割を分けることにしました。
細かい調整が必要な工程はダブルアクション、手早く進めたい工程はFLYER-SR、という形です。

それぞれの役割分担

私の中では、ざっくり以下のように分けています。

ダブルアクションの担当は、仕上がりを詰めたい工程です。
具体的には、吹き加減を見ながら慎重に進めたい本塗装、濃淡や当て方を少しずつ調整したい場面、狙ったところへ過不足なく乗せたい場面です。

反対に、FLYER-SRの担当は、手早さを優先したい工程です。
サーフェイサー、クリアコート、比較的広めの面積に吹く基本色など、「そこまで細かい操作より、テンポ良く進めたい」場面はこちらに寄せています。

もちろん、厳密な線引きがあるわけではありません。
ただ、こうして役割を分けておくと、「この工程はどちらでやるか」を迷いにくくなります。
結果として、塗装全体の流れがかなり軽くなりました。

FLYER-SRは用途ごとに専用化している

私の手元では、FLYER-SR用のノズルを3本、用途別に使い分けています。

役割分担は、サフ専用クリア専用その他用の3つです。
その他用は、主に黒やガンメタルのように使用頻度が高く、比較的広めに吹くことが多い色を入れています。

この分け方にしてから、FLYER-SRの使い勝手がかなり安定しました。

FLYER-SR用のボトル3本を左からサフ用、その他用、クリア用として並べた画像
代用品ボトルで用途別に管理。クリア用はノズルではなくキャップを付けた状態。

サフ専用クリア専用については完全に役割を固定しているため、塗料は入れっぱなしです。
そのため、使用後の手入れは先端まわりを拭き取る程度で済みます。
密閉がしっかりしているのか、この状態で数ヶ月放置しても詰まったりといったトラブルは起きていません。

その他用は完全固定ではありませんが、同系色に絞って使っているため、色替えする際にしっかり清掃しなくても影響は小さいです。
ボトルについては純正ガラスボトルだけでなく代用品(後述)も併用しています。
私は黒系だけですが、白系を多用する方はさらにもう1セット用意すると良いかもしれません。

ここは、単に「FLYER-SRが便利」というより、
用途ごとに専用化すると便利さが一段上がる
と感じている部分です。

サフを吹いたあとにそのままクリアへ、あるいは黒系の基本色へ、という運用だと、結局どこかで洗浄の負担が戻ってきます。
最初から役割を分けておくと、その負担をかなり抑えやすくなります。

なお、FLYER-SR2本体にはノズル+ボトルが1セットのみ付属しています。
私のように用途別で分けて使うなら、以下のアクセサリーを検討しましょう。(SR/SR2共用です)

100円ショップのボトルを流用している

ちなみに、私の手元では、ガラスボトルの代わりにダイソーの「カラーボトル(ワンタッチ式)」も使っています。

これが意外と便利で、安い、容量が多い、割れにくい、という点でかなり扱いやすいです。
その他用での色変えに活用しているのはもちろん、サフ専用、クリア専用もこちらをメインにしています。

もちろん、こうした流用は個体差や相性の問題が出る可能性もあるので、必ずしもうまく使えるとは限りません。
そのため、ここはあくまで「私の手元では使えている」という実例として受け取っていただければと思います。


2本使い分けるようになって変わったこと

2本体制にして最初に感じたのは、サフやクリアを後回しにしにくくなったことです。

以前は、ダブルアクションのハンドピースでサフやクリアを塗ろうと考えると、「今日はここまででいいか」となりがちでした。
塗ること自体はすぐ終わるのに、その後の洗浄まで含めて考えると時間が足りなかったり、めんどうくささが先に立ったりしていました。

FLYER-SRにその役割を持たせるようになってからは、サフやクリアが独立した面倒な工程ではなく、「流れの中で処理しやすい工程」になりました。
これは体感としてかなり大きいです。

さらに、ノズルとボトルを用途ごとに専用化してからは、その傾向がより強くなりました。
サフはサフ、クリアはクリア、と分けておくだけで、吹く前後の気持ちの重さがかなり変わります。

また、ダブルアクション側を細かい作業専用にできたのも良かった点です。
用途を分けることで、毎回の作業で求める感覚がぶれにくくなりました。
結果として、「この工程ではこっちを使う」という判断も早くなります。

1本で全部こなす運用は、機材の数が少なくて済むという意味では分かりやすいです。
ただ、実際の作業のしやすさという点では、2本に分けた方が全体として楽になることが多いと感じています。


この使い分けが向く人・向かない人

向いている人

この使い分けが向いているのは、まずサフやクリアをもっと気軽に吹きたい人です。

また、ダブルアクションのハンドピースをすでに使っていて、
「本塗装はこれで満足しているけれど、サフやクリアまで全部これでやるのは少し面倒」
と感じている人にもかなり合います。

ほかには、エアブラシ作業そのものよりも、準備や後片付けの重さが気になっている人にも向いています。
塗装は嫌いではないけれど、工程の数が増えると手が止まりやすい、という方には相性が良いと思います。

さらに、FLYER-SRを複数のノズル・ボトルで専用化する前提なら、
「よく使う塗料をある程度固定して回したい人」にも向いています。
サフ、クリア、黒系など、役割を決めておける人ほどメリットが出やすいです。

あまり向いていない人

逆に、機材をできるだけ増やしたくない人にはあまり向きません。
1本で完結させたい、道具の数を増やすこと自体が負担、という場合は、無理に2本体制にしなくてもよいと思います。

また、すべての工程を同じ感覚で吹きたい人にとっても、分業のメリットは薄いかもしれません。
2本使い分けるということは、それぞれに役割を持たせるということでもあるので、運用の考え方そのものが合うかどうかはあります。


私の周辺環境

ここまで、ハンドピース2本の使い分けを中心に書いてきました。
最後に、その運用を支えている周辺環境にも少し触れておきます。


まずは、エアブラシに必須のエアコンプレッサーです。
ツールズアイランドの静音オイルレスエアコンプレッサーを使っています。

最大圧力:0.45MPaと比較的高めになっており、ウレタン塗装や大口径のエアブラシでも使えます。
なお「連続作業時間:60分以内」となっていますが、塗装作業そのものは数時間でも続けられます。

エアコンプレッサーの連続作業時間

60分以内というのは「コンプレッサーが連続して稼働できる時間」を指しています。
この製品にはエアタンクが付いており、このタンク内の圧力が一定値以下にならない限りコンプレッサーは停止しているのですが、この停止時間は「連続作業時間」には含まれません。
つまり、塗装作業を数時間続けたとしても実際にコンプレッサーが稼働している合計時間が定格(60分)以内であれば、本体への過度な負担は避けられる、ということです。


次に、塗装ブースです。
これはハンドピース以上に、作業全体の継続しやすさに効く部分だと感じています。
吸い込みが弱い、サイズが合わない、置き場に困る、といった問題があると、塗装そのものが億劫になりやすいからです。

塗装ブースについては、別記事の「エアブラシ用塗装ブースの自作」で詳しくまとめています。
市販ブースに不満がある方や、自分の作業スペースに合わせて調整したい方は、そちらも参考になると思います。

まとめ

エアブラシを2本使い分ける理由は、単純に道具を増やしたいからではありません。
工程ごとに求めるものが違うので、それぞれに向いた役割を持たせた方が、結果として塗装全体が進めやすくなるからです。

私の場合は、細かい調整が必要な工程をダブルアクション、サフやクリアなど手早く進めたい工程をFLYER-SRに担当させています。
さらに、FLYER-SRのノズルとボトルを用途ごとに専用化することで、洗浄の負担をかなり軽くしやすくなりました。

この運用にしてから、サフやクリアを吹く心理的ハードルが下がり、塗装全体の流れも止まりにくくなったと感じています。
1本で全部こなすこともできますが、使い分けた方が楽になる場面は確実にあります。

もし今、ダブルアクションのハンドピース1本で全部やっていて、
「本塗装には満足しているけれど、サフやクリアまで全部これで回すのは少し重い」
と感じているなら、2本体制は十分検討の価値があります。

万能機としてではなく、役割分担のための1本として考えると、かなり使いどころが見えやすいはずです。

なお、ここまで旧モデルのFLYER-SRをベースに紹介してきましたが、現行は FLYER-SR2 に変わっています。
ここまで紹介してきた特徴は新旧どちらにも共通する内容ですし、新モデルはいろいろと改善されているようなので、迷わず新モデルで大丈夫です。

役割分担用の1本を追加したい方はこちら


実際にPS270を使ってプリシェーディング塗装した作例は、MSメカニカルバストDX ユニコーンガンダム(デストロイモード)の記事で紹介しています。
0.3mmのPS289で塗ったユニコーンモードとの違いも比較しています。

関連記事として、塗装環境全体を見直したい方は「エアブラシ用塗装ブースの自作」、模型用ツール全般をまとめて見たい方は「プラモデル製作・ツール関連記事まとめ」もあわせてどうぞ。